私は過去に歯を８本抜きました。４本が親知らず、４本が歯列矯正のためでした。

親知らず、顎をつかまれ砕かれる

学生の頃、下の親知らずが痛みだして歯医者さんに行きました。曲がって生えようとしていたようです。
歯医者さんも抜くのに苦労したらしく、とうとう私の顎をしっかりと掴み、ガツンガツン！と歯を砕き始めました。ぼきぼぎ、がきがきという不吉な音が。それを歯科助手の人が吸引。そして縫ってもらって完了でした。ああ、自分では見えなくてよかった。

一年後くらいでしょうか、もう一方の下の親知らずが曲がって生えようとしていたらしく、なんだか咽のほうまで痛くなりました。歯医者さんに行くと違う先生が抜いてくれました。
「このままでは抜けませんので、まず切断しますね」
「はーい。今、切断できました」
「半分、取り出せました。残り半分です」
と、その都度説明されたけど、その実況、いらなかったかも。
その日は部活（ジャズバンド）があったので出席し、サックスを吹いてしまいました。今、「何を考えてたんだ？！」と思います。若いって無茶ですね。

それから数年後、上の親知らずを抜くことになりました。今度は職場近くの歯医者さん。レントゲンを見て、
「これは、よほど運が悪くない限り簡単に抜けますよ」
と、先生はおっしゃったけれど、過去のことがあり、つい身体に力が入りました。それに気がついた先生、
「はーい。力を抜いてください。力がいるのは私です」
え？　何、今の？　と思ったときには、歯は抜けていました。
下の歯を先に抜いていたので、相方のいない上の歯は、下に降りてきていたのかも。よかった。

 

歯列矯正、人生変わっちゃうかも

子どもの頃から、歯並びの悪さがコンプレックスでした。自分の顔が嫌いだったから、卒業アルバムの写真は「あっかんべー」みたいな写真ばかり。

八重歯が酷かったのです。顎が小さくて歯が収まらす、犬歯が前に飛び出した状態。夕方になると、八重歯が頬の内側に当たって痛かったし。

なぜ、顎が小さかったかと言えば、育ち盛りのはずの子ども時代、小食でときに拒食症であったし、眠るのも下手だったので睡眠不足でした。これはもはや「生存するのに不向き」という感じですが、この歳まで生き延びていて我ながら偉いです。

 

三十歳になる前に、同じ歳の友達が歯の矯正を始めたのに感化され、自分もやってみることにしました。たまたま雑誌で「コンプレックスを乗り越える！」みたいな記事を読んだ記憶があります。

矯正の先生は日本矯正歯科学会の認定医の先生（今、サイトでみたら「専門医」にもなっていました）で、なので虫歯の治療などは一切しない、矯正の専門の先生でした。女性の先生で、てきぱきしつつ優しくてよかった。

まず、犬歯の内側の歯を４本、抜歯。素人考えで、「八重歯を抜いてしまえば早いのに」と思ったのですが、
「犬歯は根が深く、他の歯が抜けても残ります。まっとうな歯医者は犬歯は抜きません」とのことでした。

まず違う先生に虫歯の治療をしてもらい、歯を抜いて、いよいよ器具の装着。月に一度の通院で、少しずつ少しずつ歯を動かしていく。すると、八重歯がほどけて新たな虫歯が現れたりして。ぶっちゃけ、通院した日の夕飯を食べるのは痛かったし、歯磨きが面倒でした。なにしろ、ワイヤー付いているので。

けれど、
歯列矯正のメリット
・歯磨きが趣味になる
・歯ブラシがちゃんと届くので、虫歯になりにくい
・鏡を見るのが（あんまり）苦痛ではなくなった。
　八重歯が上唇と押し上げていたのが自分ではとても気になっていました。

ほんとに、あのとき矯正していなかったら今頃、どうなっていただろう？　と思います。歯がきっちり重なっていて歯ブラシなど通らない部分があったから、必ず虫歯になっていたはずで、犬歯も失っていたかも。
コンプレックスもかなり軽くなりました。鏡を見るのが苦痛じゃない、というのはかなり大きいです。美容院とか、鏡の前から逃げられませんものね。しかし、今は顔を洗ってスッピンの自分の顔を見てギョッとすることはあります。そういうお年頃、ということにします。