チャボの見栄のはり方が微妙だった

雨が上がったので散歩に出かけて、犬と散歩する人を見たのです。
犬は座り込み動こうとせず、飼い主さんがリードが突っ張っても動きません。
「もし、飼い主が犬を置いていっちゃったら、犬は飼い主を追いかけるかな」
と、家人が面白そうに言うものだから、そうかもしれないね、と言いつつ、昔、チャボを散歩に連れていったときのことを思い出しました。

 

私の妹分だったチャボのコッコ、の卵から孵ったチャボも、人間が大好きでした。うちの一階は仕事の作業場だったのだけれど、休憩時間におやつをねだったり、父が仕事をしている隣の椅子の背に止まっていたり、父が出かけると途中まで送ってにいき、車で帰ってくると出迎えたり。
ときどき、飛び上がってお客さんの肩に止まって、初めて来た人は驚いたようだけれど、みんなに可愛がられていたようです。

あるとき私は、彼を近所の公園に連れて行こうと思い立ったのでした。彼を抱えて公園に行き、少し歩かせたりして。
その帰り道、ちょっと悪戯心が起こり、彼を歩道に下ろしました。彼の知らない場所。車も人も滅多に通らない広々とした舗装道路。(中途半端な田舎には、そういう場所があるのです)

私に地面に降ろされても彼は全然平気な顔。しかし私が前を向いて歩きだすと、彼は一生懸命に私を追っていたのです。私が立ち止まって振り返ると、彼も慌てて立ち止まり、別に追いかけてないよ、という様子で何もないコンクリートの地面を足で掘ってみたりして。
なので私がまた前を向いて歩くと、彼は私を追いかけている。私が振り返ると慌てて立ち止まり、足で地面を掘るフリをしたり嘴で地面を突いてみたり。だるまさんが転んだ、みたい。
ちょっとよく分からない見栄の張り方がかわいい。
私はすぐに彼に歩みより、抱え上げて帰りました。

ちなみにうちのチャボたちは、は抱き上げようとすると、じっとして待ってくれました。
チャボって(たぶん鳥はみんなそうだろうけれど)、一羽一羽、性格が違うのです。温厚な鳥もいれば乱暴な鳥もいます。うちの鳥たちはみんな気立ての良い優しい鳥だったけれど、その中でも活発な鳥と、おっとりした鳥がいるのが面白いです。

最後の鳥は14歳で(!)天寿を全うしたのでした。

 

2件のコメント

  1. こんばんは。妙な時刻にごめんなさい。
    長雨が最上川を氾濫させているとか。
    自然災害は容赦ないです。
    この夏は皆さん、レジャーを控えて、
    暑苦しいのにマスクして、困りました。
    さて、チャボちゃんとの思い出、楽しいですね。
    大型の鳥と散歩はなかなか経験できないように
    思います。犬よりサイズは小さくとも鳥は強いですから
    もし庭に大型のインコが放されていたら
    泥棒も容易には近づけないと思います。
    嘴や爪が武器なんですよね。
    よく犬が苦手な人が「食い殺されちゃう」などと
    とんでもない怖がり用で、慣れてないのが
    分かりますが、一方鳥類に慣れていない人は
    チャボちゃんを散歩、出来ないと思います。
    飛んで逃げてしまうのでは、とか。扱いが
    よく分からないと言うか。
    抱っこなんて出来そうにない!
    子供の頃から身近に生き物がいると意外に
    微妙な心の動きまで観察出来てしまう、その
    心の豊かさに今回は感動しました。
    makiさん特有の生き物に対する愛情がよく
    感じられるエピソードだな、と。
    ところでチャボちゃんと猫ちゃんは同時期に
    家にいた事はありますか。
    相性によると思いますが場合によっては
    難しいのかな、と。確かに個体の性格は違うし、
    違う種類の動物同士が意外に仲良しだったり、
    これも縁によるもの。神様のご配慮により、
    違うのかな?makiさんなら何か特別な生き物を
    天から贈られるかも!

    1. medical_rodさん、おはようございます。

      本当に自然災害が重なりますね。ウィルスも自然ですし。
      夏にマスク、本当に暑苦しいですね。
      通勤をしていないので、贅沢は言えないのですけれど。

      そうですね、鳥、けっこう強いです。
      チャボも足に蹴爪がありますから、戦う(?)こともできるのですよね。

      散歩は、本人(鳥)がその気になってくれないと抱っこはできないと思うのですが、
      抱き上げようとすると、察して立ち止まってくれるのです。
      今よりさらに田舎に住んでいた頃は、
      放し飼いにしていると、けっこう遠くまで遊びにいっていたようで、
      でも、暗くなる前にはちゃんと帰ってくるんです。

      犬さん猫さん同様に、チャボも、
      ” 喉に大根の茎が! 取って!” と歩み寄ってきたり、
      ” 何食べてるの? 私も欲しい!” と訴えてきます。
      生き物って、根っこの部分ではヒトもその他の生き物も同じなんじゃないか、
      と思うのです。

      チャボたちと猫たちが一緒だったことはないのです。
      相性があるでしょうけれど、
      もしも一緒だったら仲良くしてくれたんじゃいかな、と思います。

      違う生き物同士が仲良し、って、ヒトが仲立ちになってる場合も多いですよね。

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