夢は見ること自体に意義がある

夢は見ること自体に意義がある。もちろん、眠っているときに見る夢の話。目が覚めて憶えていなくても、夢見ることそのものが、心が必要としていることだと思うのです。
例えば起きているとき全く泣かない人が夢の中でぐずぐずと泣いているだけ、というのは必要なことなのでしょう。

学生時代の心理学(一般教養科目)の先生はフロイディアン(フロイト主義者)であったので、「皆さん、恥ずかしいから見た夢の話なんかしないように」と言ったものでした。実際、ちょっと本を読んだことのある程度の私でも、電車の中で若い女の子が「なんか、へんな夢を見てさあ」と、お友達に話しているのが聞こえて、内心、それはあまり大声で言わないほうが………と思ったこともあったのでした。

とはいえ、私には印象深い夢があったのです。何年経っても時々、思い出す夢。夢というのは本人にとってのみ意味がある場合がほとんどであろうし、夢を見た状況が分からなければ判断もできないと思うのだけれど。

 

***

私は中学校の廊下を裸足で歩いていた。周囲は暗い。左側は教室で、教室との境の壁に嵌め込まれた窓ガラスが割れているのが分かる。

そのまま歩いて私は、教室の前側のドアから教室に足を踏み入れる。中は昼間。けれど教室の中はひどく荒れている。机も椅子も乱雑に左右の壁に寄せられて中央が道のように広く空けられ、床には散乱したガラス。

机が左右に分かれた先、教室のいちばん後ろにシルエットにしか見えない人物がいる。若い男だと思う。彼は床から割れたガラスの大きめのカケラを持って立ち上がり、それを自分の首筋に当てる。

私は彼に向かって何かを叫ぶ。それを聞いて、彼はその場にしゃがみ込んだ。安心した私は自分の指を見る。親指と人さし指に白い粉がついているのを見て、ああ、ガラスが細かい粉になったのだ、と思う。

***

夢を見た朝の通勤電車の中で、夢のことをぼんやり思い出していた。そして唐突に自分が夢の中で叫んだ言葉を思い出した。「やめて。あなたは自殺がどういうものか分かっていない」。

ガラスの破片が床に散った部屋に裸足で踏み込む、というのがそもそもヤバい感じの夢です。指の白い粉は実はチョークの粉だと思います。

 

もう一つ、なんだこりゃという感じの、微妙な予知夢を見たこともあります。

目が覚める少し前、まだ半分夢を見ている感じのときに浮かんだ映像が、建物の天井近くにある四角い箱形の灯でした。赤く点灯するもの。なんだろう、これは? ぼんやり考える。ああ、テレビなんかで見る「手術中」って表示が出るやつ? でも、文字が違う気がする。違う言葉のような。なんだろう………。

というところで目が覚めたのでした。

その日は、友達に誘われて「焚き火をする会」に行ったのでした。楽しかったなあ。駅で集合して歩き出す。途中の畑で薪になる木をピックアップして、講師の先生の大学の中庭で焚き火を開始。と言っても、ナタで木を切ったり、先生が棒で火を起こすのを見たり。それから竹でご飯を炊いたり竹で音をたてて遊んだり。家族連れやら男の人女の人、と、初対面の人たちといたのに、かなり楽しかった。

そこでは、校舎からは別棟となった、小屋というサイズのお手洗いがありました。扉を開けた私は、「ああ、これだ」と思った。トイレの個室の上に四角く赤いランプがあり「使用中」の文字が灯っていたのです。

それにしても、なんでわざわざトイレの表示の予知夢なんか見たんだろう?初めて足を踏み入れる大学の中庭のトイレの使用中表示。

ただ、夢について考えるとこの夢の事を思い出すので、もしかしたら、その日のことを思い出すために、微妙すぎる予知夢を見たのかもしれない、とも思ったりして。しかし、それならば、その日を後々思い出す必要があったということでしょうか。

 

とはいえ、夢に深入りは禁物。
意味不明でも、見ることそのものに意味がある、のでしょうか。

 

2件のコメント

  1. 夢と関係ない話かもしれませんが、一度不可解な事がありました。
    スマホには万歩計がついていて、携帯している間の歩数や階段の昇降回数など
    が記録されています。
    ある朝、ふとスマホの万歩計を見ると、その日はまだろくに歩いてもいないのに、
    既に6000歩を越していました。
    主人に見せて、「おかしいよね」と言いますと、主人も頷きました。
    私は夢遊病ではないし、夜中に無意識でスマホを携帯して出歩いて
    いる訳でもありません。
    何年か前に娘に「お母さん、朝目が覚めると体に痣が出来ていたりするんだよ、
    どうしてかな」と言うと、部屋が隣だった娘が「お母さん、夜中結構
    暴れていて壁を蹴ったりしている」との事。
    知らなかった、そうだったのかー。
    夜中夢の中で何かと格闘していたのでしょうね。
    それはあり得ます。覚えてはいませんが。
    だけどどうしてスマホの万歩計にまとまった歩数が記録されていたのかな。
    どうにも不思議です。
    夢遊病の事ですが、私の亡くなった叔母が子供の頃、
    北海道に住んでいた頃、夢遊病だった事があると母が言っていました。
    どうしてそんな事になるのでしょうね。
    夢についてはたくさん語る内容があります。
    今回はこの辺で。今回は変な時刻に眠ってしまったので、
    このような時刻に目覚めています。すみません。

  2. medical_rodさん、こんにちは。

    ほとんど明け方に目が覚められたのですね。
    それでパソコンに向かうというのは潔いです!
    私は昨夜な眠りそこね、6時半にLINEの着信で起きました。
    パソコン記事やブログは都合の良いときに能動的に見られるからいいですね。

    知らずに痣ができるほど壁を蹴ったりしていた、って、すごいですね。
    何と格闘していたのでしょう?!
    私も唸っていることはあるそうなのですが、
    自分ではさっぱり分かりません。

    万歩計、謎ですね。
    日常で微妙に不思議、ということはありますね。
    結局、分からないけど、
    まあ、そういうものかなあ、なんて思えてしまうのが面白いです。

    夢遊病って、言葉は知っているけれど、
    リアルに夢遊病な人というのは出会ったことがないです。
    そういえば、「寝言に返事してはいけない」って言われていますよね。
    眠りにまつわるあれこれ、ほんとに、語る内容が多いですね。

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