本の題名にみる謎の”構文”

以前から、本の題名で気にある”一群”があったのです。

『〇〇はなぜ、〇〇なのか』という本です。
試しに、Amazonの本で「なぜ なのか」と検索してみると、

『お金が貯まる人は、なぜ部屋が綺麗なのか
なぜ「よそ者」とつながることが最強なのか
『日本人はなぜ無宗教なのか
なぜ、歯ぐきが健康な人ほどいつまでも長生きなのか
なぜ大富豪のサイフは空っぽなのか?』
………

まだまだ、たくさん出てきます。

最初にこの、名付けて「なぜなのか構文」が目についたのは、
本屋で見かけたこの本でした。

『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか』(亀田潤一郎・著)

「なのか」じゃなくて「のか」だけど。

本屋さんで見かけたとき、思わず足が止まりました。
「えっ? ”稼ぐ人” は ”長財布” を使うの?」
という疑問が沸き起こり、しかも、本を読めばその理由も分かるらしい。
謎の提示とその解決。
(買いませんでしたけど)

最初に挙げた本たちは、だいたいこのパターンに当てはまりそうです。
(とはいえ、「日本人は無宗教」というのは、微妙ですね。
ほとんど一般常識だけど、テレビで占いが流れる国が純粋に無宗教? という疑問も浮かびます。)

ともかく、本の題名が本当ならば、
どうやらお金持ちの部屋はきれいで、サイフは長財布、しかも空っぽらしいです。
そんな気がしてきました。

 

そしてつい一昨日、新たな構文を発見しました。
『〇〇なら〇〇しなさい』

こちらのほうが強力です。
Amazonの本で「なら なさい」を検索すると、

『服を買うなら、捨てなさい
『病気がイヤなら、「油」を変えなさい!:危ない”トランス脂肪酸”だらけの食の改善法』
『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』
『健康でいたいなら10秒間口を開けなさい スマホやPCによる不調・病気に対処する』
『ガンが嫌なら野菜を変えなさい
『マンションを買うなら60㎡にしなさい
………

こっちのほうが多い!
ビジネス系、教育系もあるけど、圧倒的に健康系が多い印象です。

まず、こちらの希望を喚起し(服を買いたい、病気はイヤ、健康でいたい………)、
それに対する答えを教えてくれるらしい。
しかも、「〇〇しなさい」という、若干、上から目線とも言える口調から、
自信が垣間見えて頼もしく、
「この人(本)についていけば大丈夫」
という気分にさせられます。

この、「ならなさい構文」は副題が付いている場合が多い印象です。
補足しないと、ちょっと意味不明なのかもしれませんね。

(あ。
 脱線するけど、テレビのドキュメンタリー番組は、
 「〇〇は、〇〇なのかもしれません」
 で終わることが多いですよね)
 

「なぜなのか構文」も「ならなさい構文」も実用書が多い印象です。

『なぜメトロノームは異界の入り口なのか
 アマガエルに乗りたければ物干し竿に頼みなさい』

このように、出鱈目に言葉を入れてみるのも、楽しいかもしれません。

 

 

 

 

 

2件のコメント

  1. こんばんは。

    すごく面白い気づきですね!

    「なぜ歯茎が健康な人は~・・」へぇ、そうなんだ、って
    一瞬思いましたが、102歳で天寿を全うした祖母は92歳で
    骨折するまで一人暮らししていたし、歩いてスーパーへ買い物に
    行けるくらい達者な人でしたが、
    かなり若い頃(って多分60歳くらい)から総入れ歯でしたけども?

    私、家は毎朝掃除機するし、トイレ掃除も欠かさないけど
    貯金なかなかできてないけど?

    ・・・何事にも例外は存在する、ということでしょうか。

    「痩せたい人は食べなさい」って本、昔ありましたね。
    そう、これも健康系の本ですよね。

    テレビなどはよほど事実が確定しない限り、
    断定は難しいのかもしれませんね。
    医療系や自然系のドキュメンタリーだと、まだ仮説の域を出ていないというか。

    こうやって、意識して題名を考えるの、楽しいですね。

    1. TOKOさん、こんばんは。

      そうですよね、真偽を確かめられない!
      というか、私の友達のお祖母さんも、
      たぶん60代の頃に
      「総入れ歯の良い歯医者さんを見つけた」
      とおっしゃっていて、105歳で亡くなられたのですよね。
      (これで、例外2つですね)

      「かもしれません」って、便利なんですよね。
      余韻が残るので、締めの言葉にぴったりなのだと思います。

      大昔、仕事でインタビュー記事を書いたことがあるのですけれど、
      「〜〜な○○さんは、茶人なのかもしれません。」
      と締めくくったら、
      「私は茶人ではないので、この部分は取ってください」
      と、言われたことがあります。
      何年も茶道をやっていても、というか、真剣にやっているからこそ、
      ご本人的には軽々に茶人は名乗れなかったのだと思います。
      けど、なんかその記事が、のたっとした終わり方になってしまいました。

      食べたい人は食べなさい、って痩せたくて食べたい人には魅力的な題ですよね。
      題名、大事です。

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