始めて薪能を見学

遊行寺(時宗の総本山)の薪能に行きました。薪能は、というか能と狂言を生で見るのは初めて。
全く訳が分からず、なんとなく立ち見をイメージしていたので(野外だし)、椅子があって感動というか、安堵しました。

実際に行ってみて、「ああ、能ってミュージカルなのね」という勝手な理解をしたのでした。

(写真は能舞台の背後の遊行寺本堂です。撮影禁止だったので終演後に。)

 

能について一夜づけ的に調べる

友達が「予習しておいたほうがいいよ」と言ってくれたので、ネットで能のページを見ました。

実際に見たところで、忘れないように、ものすごくざっくり、復習しておきます。

・能の役柄

シテ………主人公。人間とは限らない。面を付けている。
ワキ………シテの相手役。生きている人間であるので面を付けない。それを直面(ひためん)という。狂言でのシテの相手役はアドと言うそうです。

・能の音楽

謡(うたい)………台詞、言葉を節をつけて歌う。
囃子………笛(能管)、小鼓、大鼓(大皮)、太鼓の四種類の楽器。

そのほかに、舞台上で道具の出し入れなどをする人たちを、後見というそうです。後見のなかでも主後見はシテと同格もしくは上位の人で、もしもシテに舞台上で事故があったりした場合(急に倒れたり)、すぐにシテの代役を務めるですって。

 

ほとんど何を言っているのか分からないけど楽しい

母は「昔はお弁当なんかを持って、見に行ったものよ」というから、やはり庶民の楽しみだったのですね。

友達の助言に従い、ストーリーを予習しておいたので、だいたいは分かった。演者の言葉もとことどころ聞き取れる。しかし、分かるのは断片的。しかも謡(=コーラスっぽい)が入ると、私には台詞に聞こえませんでした。

にもかかわらず、面白かった。

だって、ボサノバを聞きながら「ポルトガル語が分からないからつまらない」という人がいないと思われます。それと同じで、しかも歌だけでなくて舞もあるのだもの、楽しいはずです。門外漢にも楽しい芸能。

知識なしの私でも楽しかったのですが、勿論、他の芸事同様、知っていればいるほど楽しいことは間違いないです。会場には、古文書のようなもの(台本的なものだと思う)を手にしている方々もいらっしゃり、能と狂言の世界の広大さ深さも、私には計り知れません。

これからガッツリ勉強! とは思わないけれど、いい出会いだったなあ、ありがたい! と思います。少しずつ、馴染みたい。

 

 

2件のコメント

  1. こんばんは。

    >ボサノバを聞きながら「ポルトガル語が分からないからつまらない」という人がいないと思われます。

    ほんと、それ!ですよね。私はフラメンコの歌とギターが大好きですが、
    何歌ってるかさっぱりでも楽しいですもの。
    あとハンガリー語だとかコルシカ語とかのマイナー言語なんて
    単語一つ知りませんが、これらの言語で歌ってる曲も好き。
    言葉がわからなくても、踊ってくれるんならそれだけでも楽しめますよねぇ。

    そういえば、古典芸能はとっても難しくて高尚で敷居高いわぁ、って
    思ってたのですが、先日ある昔のドラマの一場面で歌舞伎がでてまして、
    それがすごく「!かっこいい!素敵!」と心底思ったんです。
    演じてたのは歌舞伎役者さんではないのですけど。

    やはり古典て面白いから残るのですね。

    1. TOKOさん、こんにちは。

      そうですね、きっと古典って面白いから残るのでしょうね。
      伝統芸能でも、伝統工芸などでも、
      その時代を取り込んでいるというから、
      その柔軟性も残る理由かもしれませんね。

      フラメンコとか、聴いたことがないんです。
      そういうお話を聞くと、聴いてみたいな、って思います。

      言葉って、「音」ですからね。
      ヒップホップなど聴くと、特にそう感じます。

      あ、狂言なんかも、面白くて笑ってしまいました。

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