運転に復帰したい

弟に、車を運転してみたらどうかと言われています。
私は筋金入りのペーパードライバーなのですが、親たち高齢なので、そろそろ運転に復帰したらどうか、ということなのです。

弟のトラウマは消えたのでしょうか?
私がまだ運転していた頃、弟と従兄弟を乗せて自動車専用道路を走っている最中にパニック発作を起こし、右車線を高速走行中に「なんかダメ! ここで車止める!」と言って弟たちを恐怖に突き落としたことがあります。死ぬかと思ったそうです。

今日は弟に一緒に乗ってもらい、少し運転してみましたが、私、ものすごく運転が下手です。ハンドルの回し方、アクセルの踏み方が分からない! 「姉ちゃん、ハンドルを片手で回しちゃダメだよ」と言われてガッカリ。気を抜くとかつての癖が出てしまいます。

 

運転の癖が抜けない

私が免許を取ったのは新卒で就職してからでした。最初の営業会議で部長が冗談で「この中に免許を持ってない人はいないね」などと言い、私は「持ってません」。履歴書の資格の欄にも ”運転免許” なんて書いてなかったのに。

会社が終わってから教習所通い。そして免許を取ったらすぐ営業車の運転。

会社には「免停→免停→免許取り消し」という先輩がいて、新入社員がその人の運転手を(毎年!)持ち回っていました。なので、免許を取ってからの私の運転の先生は、その先輩だったのです。

「坂道発進にサイドブレーキなんか使うな」「右手はハンドルの上、左手はシフトレバーの上」なんて運転を習ってしまった。

しかも、当時の営業車が、けっこう酷い乗り物でした。
もちろんマニュアル車。まず、ブレーキが効かない。4速で走っていて信号が赤になったら、そのままブレーキを踏んでも間に合わないので、毎回、ギアを落としてエンジンブレーキを使っていました。アクセルの効きも甘く、一般道でアクセルを床まで踏み込むこともしばしば。(しかも冷房なし。夏は意識が朦朧としました、恐ろしいことに)。

あの頃、1年半で何万キロ運転したんでしょう。結局、体を壊して退職しましたけれど。そしてパニック障害で運転をすっかりやめて20年以上。今、まっとうな車を運転すると、アクセルもブレーキも、私が知っているものとは、ほとんど別物。慣れるのに時間が掛かりそうです。

 

駄目な奴でも相棒だった

とはいえ、告白するならば私は、あの酷い営業車を運転するのが好きだったのです、どうやら。

車というのはその性質から、自分の身体を拡張するものですよね。そしてあのポンコツ車はまさに私の身体の一部のように動いてくれました。マニュアルであるし、馬力のない軽自動車であったので余計に。車軸がズレていたので、直線道路ではハンドルを常に右に5度くらい傾けていなければならない車だったけれど。

駄目な「身体」でも、すっかり馴染んでしまう。私の運転スタイルを作ったのはあの車だったのです。

けれど、あの頃の癖とは、さようならします。というか、さよならしなければ。

 

扱いづらいという点では、自分の身体も同じです。
スタミナはないし、低血糖ごときで眩暈を起こすし、じんましんがすぐ出る。緊張すると食欲をなくすし、パニック障害も完治していないし、医療の力を借りないと歩くことにも困難がある。更に加齢で老眼に更年期障害。
こういう身体が「私」を作っているのかも。


この数年、思うのです。身体と心の自由くらい大事なものって、あるだろうか、と。

そんな身体だけど、ちゃんと手入れして、仲良く一緒にやっていきたい。というか、身体は私。

 

6件のコメント

  1. TAMAKIさんは私から見た感じでは免疫力の高い、若い身体の様に
    思います。蕁麻疹が出やすいとか、皮膚が乾燥しやすいとか、
    アトピーもそうらしいのですが、免疫力の高い人の症状らしいんです。
    年を取れば落ち着くとお医者さんが書いていたのを見た事があります
    それから・・・
    パニック発作ですが、若い頃の純粋で傷つきやすい、デリケートな時期に
    何者かが傷をつけて、それから防衛本能が働いたのではないかと
    思えるんです。頭脳が優秀な上に、人の心を人一倍気遣うTAMAKIさん、
    どなたか知りませんが、TAMAKIさんを傷つけた人を私は心底憎みます。
    しかしながら、今TAMAKIさんは自動車の運転を含め、常に学びを怠らない
    姿勢で、とことん、まっすぐな性格だなーと思います。
    弟さんの優しいご性格もよく伺えますね。
    姉弟の仲が良い事は何よりと思います。
    運転は少しでも間違えば、大事故になり、物損ならばまだしも
    人身事故になれば取り返しがつかない事にもなります。
    毎朝、神棚を拝む位の気持ちで安全運転宜しくお願い致します。
    クリスチャンなので神棚って事はないと思うんですが。

    1. medical_rodさん、こんにちは。

      なるほどです。
      免疫力が高い、と思えば悪いことではない気がしてきました。
      そういえば、副作用を起こす薬もとても多いのです。
      歳をとると落ち着くということは、そろそろ………でしょうか。
      頬のたるみが悩みです。。。

      パニック障害の原因について、なんだか、ありがとうございます。
      残念ながら頭脳の優秀さはイマイチですが(しかもかなり無神経なのです)、
      きっと防衛機能ですね。
      私の場合、原因は一つではないと思っています。
      なので、私を酷く傷つけた人がいても、その一人が原因ではないし、
      私を傷つける気など全くなかった人もいるのです。
      発症して、惰性で治っていないのは、もはや自分の問題、と思っています。

      弟は面倒見が良すぎて身動きができない状態になってるかも、です。
      優しいのも大変です。
      車は、本当に気をつけないとですね。
      仏壇はないけど、
      運転前に祈る、くらいしたほうがいいかもしれませんね。

  2. わたしも運転苦手だけど仕方なく、運転してる。知らない道なんて、ずっーと、ありがとうございます。ごめんなさい。許してください。愛してます。って唱えながら運転してる。いつまでも慣れない。もみほぐしの仕事と一緒。

    1. えぼちさま

      運転は「苦手」って思っているくらいがいい気がする。
      一連の言葉を唱えるの、なんだかいいね。
      慣れない、というのは新鮮ってことかも。
      私はこの先日、10年以上やらせてもらっている仕事で「見落とし」を起こし、
      微妙に落ち込んで、(次があれば)心新たに掛からねば! と思っているよ。

  3. こんにちは。

    車によって個性というか癖があるんでしょうね。
    機械なのに不思議・・・
    でもでも、今の車ってもっとスムーズに動くようになってるし、
    バックモニターついてたり安全に配慮した造りになってますよね。

    私、学生時代に
    「就職する会社の営業車がマニュアル車って
    こともあるから。」と父親に説得されて、
    ミッションで運転免許取ったんですけど
    (そして現在、免許更新しなかったので無免許に)
    結局、卒検以来マニュアル車にって触ることがなかったんですよねぇ。
    実家の車、2台ともATだし。
    あの苦労は何だったんだ・・・
    もっとも、マニュアル車を経験することでエンジンとギアの関係は
    よく理解できたのかもしれません。

    ところで、ハンドル片手ってすごく運転し慣れた人みたいに見えますよ!
    安全第一で頑張って下さい!

    1. TOKOさん、こんにちは。

      就職の営業車に備えて免許を取ったというのは、
      私と全く逆パターンですね。

      車って、ほんとに違いますものね。
      アクセルの踏み込み具合、ブレーキの効き、エンジンの加速などなど。
      車種によるのは当たり前だけど、「車検から帰ってきたら、なんか違う!」ってこともあります。
      若い人が運転しないのは、ちょっともったいない気がします。

      車の安全性能はどんどん上がってますね。
      走行中にセンサーで感知して、車が勝手にいろいろ補正してくれたり、
      センサーで人や物を感知したり。
      これから、もっと安全性能は上がるでしょうね。

      私も、大昔に会社を辞めて以来、
      ほとんどマニュアル車は運転していません。
      AT車ばかり。もう戻れないです。
      少しずつ、危なげなく運転できるようにがんばります。

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