インテリアコーディネーター二次試験の勉強中なのです。
しかし、今年も難しそう。
そんな折、本屋でうっかり、森博嗣の新作『神はいつ問われるのか?』を発見してしまい、つい購入→読んでしまいました。(本の帯は「神は何故、世界を終わらせるのか? アリス・システムが司るヴァーチャル世界。そこでは人工知能が神だった。」ですもの。買ってしまいます。)
そして、ページの端を折り、線を引いてしまいました。なので、その箇所を覚書として保存しておこうという目論見です。
WWシリーズ
森博嗣の小説は、「理系ミステリ」と言われるようですが、むしろ、ロジカルな作家、という感じがします。おそろしく多作な作家で、登場人物/時代で、シリーズ名が付いています。
この、WWシリーズは、Wシリーズの続編。そしてWシリーズは百年シリーズの続編的な存在みたいです。
時代は現代より三百年(だったかな?)ほど未来。人間は滅多なことでは死ななくなり、なぜかほとんど子どもが誕生しなくなった。ウォーカロン(walk-alone)という身体組成はヒトと同じだけど企業によって生産された存在と、ロボットもいます。そしてトランスファと呼ばれるネット上に発生した知性(だと思う)、そしてAIたち。高度なAIたちは、何か仕事をしているというより、「考えている」感じ。
登場人物はグアト(本名ではない。元研究者)とロジ(本名ではない。元情報局員)。
ストーリーは、ともかく面白いです。(しかし、ここでは語らず! 検索してくださいね。というか、読むのをお勧め。どうせなら百年シリーズ、いや、S&Mシリーズから)。
ウォーカロン(人間と同じ身体と知能を持った存在)とは何か? AIとは何か? と考えるのは、つまるところ「人間とは何か」という問いになりますね。
気に入った箇所を勝手に引用
・バーチャルの世界、「アリス・ワールド」のAIの使者であるアリス(人間ではない。少女の姿をしている)が、グアトの質問に答える台詞。
「発展の停滞こそが、知的活動の死であり、あらゆる知性の自滅を招く元凶といえます。恐れているのではなく、ポテンシャルを失うことを、知性な嫌うものです」
・「アリス・ワールド」のシステムダウンによって、リアルに自殺者が発生したことについての、グアトの思索
ヴァーチャルのシステムダウンで、大勢が自殺に追い込まれたことは、バーチャルの膨張ではなく、リアルの縮小に起因している。人間は、自然から遠ざかり、かつてよりもシンプルになった。都会に住んでいれば、なおさらだ。そこには、生きることではなく、生かされている毎日のルーチンが、コンスタントに与えられる。それは氾濫しない穏やかな流れだ。安全で安心な時間が、人々をヴァーチャルへ逃げ込ませる。適度な冒険、好みの興奮、ほどほどのスリルに憧れ、お好みのレベルを設定した上で体験できるからだ。それはまるで、家畜のような状況ではないのか。
・グアトがオーロラ(AI)との共同研究(!)を、最近やっていない理由を問われて
「……なんだか、人間の頭の中について考えると、妙な感覚になってしまう。(中略)自分たちは、人間ではなく、人工知能でもなく、もっと上の創造主みたいな気になる。神になってしまいそうな気分なんだ。そこで、はたと気づく、では、この世界は何なのか、この地球、この宇宙は何なのか、どうしてこんなこのがあって、膨張しているのかって、(中略)じゃあ、神って何なのか。(中略)もしも、すべてが偶然だとしたら、どうして一定の法則が生まれるのか……」
この続きもいい感じです。
でも、気に入ったところを全部引用はできないし、面白さも伝わらないですね。
しかし、私の気は済んだので、製図の訓練に戻ることにします。
おぉ、そそられる題名とテーマですね。
理系ミステリ。
今、ターミネーターシリーズの最新作が上映中ですが、
機械に支配される人間世界、割と現実的になってますよね。
調べてみたら、文庫であるのですね。
これは買いですね!
今日は帰りに本屋へGoします。
TOKOさん、こんにちは。
そうですね、とても面白かったです。
この小説は「Wシリーズ」の2作目なのです。
この著者、ズルい! と思ってしまうのは、
それ以前の作品を読んでいると「ああ」って思える内容が多いことなのです。
「あの件の続きは?」みたいな。
(逆に言うと、前作を読まずに読んで、どれくらい面白いのか、ちょっと分からない…)
森博嗣の小説の中の文章を抜き出した本、もあるくらい、
この人の思想(?)って、面白いです。
再びこんにちは。
昨日、有言実行とばかりに帰りに本屋に寄って文庫版を入手しました♪
理系ミステリは医療系は読んだことがありますが、
こういう工学系?機械系?は初めてで・・・
なので、新鮮です。
前作は未読の状態ですが、今のところ面白く読めていますよ。
って、まだ一章過ぎてアリスが登場したあたりですけど。
通勤電車の良いお供になりました。
TOKOさん、再びこんにちは。
それはよかったです。
本の好みって、難しいですものね。
現実と違う場所にいける小説って、いいですよね。
日常を丁寧になぞった小説もいいけれど。
非現実感を味わいたい、みたいなときがありますよね。